(19)コロナショックからの教訓

さてここまで失敗体験のように今回のコロナショックでの損失のことを書いているが、実際にここでなにが悪かったのかを考えてみたい。

 

まずは

「投資先がわるかったのか?」

という疑問だが

 

私はそんなことはないと考えている。

それはただ単に投資の神様のバフェットやジョン・ボーグル(インデックス・ファンドの父)が推奨しているからだけではない。

 

SP500の過去の実績と検証結果

過去のSP500の動きを検証すると、短期での浮き沈みはあるが、SP500は長期ではかならず成長している。トリニティー大学が検証した4%ルールの中でもSP500に投資して毎年4%取り崩した場合、投資額はなくなる可能性はほとんどなく、取り崩しても長期の場合むしろ当初の投資額よりふえる場合もあるという検証結果もでている。

 

システマティック・リスクとノンシステマティック・リスク

米国株投資をする場合にはシステマティック・リスクとノンシステマティック・リスクというリスクがあるが、SP500に投資した場合、分散投資で軽減できるノンシステマティック・リスクはすでに業態の違う500社に投資しているのでデータ上ではほぼゼロになるはずである。システマティック・リスクは政策や国際的な経済状況に左右されるリスクなので、効果的にリスクを軽減できる方法があるなら私が教えて欲しい。

 

では次に

「投資したタイミングが悪かったのか?」

という疑問だが

 

投資したタイミング

「落ちるナイフを・・・」の話を書いたと思うが、たしかにSP500が落ちきってから再び反転上昇したときに買う方が賢かった。たとえばVOO(SP500に連動したインデックス・ファンド)を暴落が始まってからすぐに買った場合の価格を仮にコストが290ドル/1ユニットだとする。「落ちるナイフ」を掴まず落ちきった210ドル/1ユニットから反転したとき買った場合の価格を240ドル/1ユニットだとすると、 50ドル/1ユニットの差が生まれる。もし100ユニットを買った場合、5000ドルの差になる。これは結構大きい。

そんなの当たり前と思われる方もいると思うが、自分のお金を実際に投資しているとなかなか常に冷静な判断をするのはむずかしいものだ。それに結果的には暴落したがマーケットが必ず落ちるとも限らないのだ。

 

どちらにしても、これは大きな失敗ではない。なぜなら15年後の成長したSP500の売買価格をみたらこんな差は誤差になるだろう。

 

では結論は

では、なにか決定的に悪いことをしたのかというと私はそうは思わない。

むしろ、破滅せずに身を切られるような損を体験するのは貴重だ。

こういう経験が投資家としての自分のレベルをあげてくれる。