(14)ぎりぎり首がつながる?

さて投資のために愚かな銀行行脚をしていた’19年9月頃に一つ朗報がはいってきた。

 

当時働いていた銀行の別の部署ではたらいていた友人のV氏から5月末まで臨時雇いで税務部を助けてくれないかという申し出だった。V氏は私と同い年で10数年前は同じような役職だったが、いまでは出世してかなり偉くなっていた。

 

いまのままでは11月末には失職しその1ヶ月後には国外退去だが、もし5月末まで退職がのびれば新しい仕事をみつけられる可能性も広がる。これはまさに渡りに船だ。

 

さらに3月まで会社に残れればボーナスも受け取れる。翌年は退職金の支払いがあり税金の支払いが例年より高くなるはずだった。それが少しでも軽減されればありがたい。

 

「このチャンスは逃せない。」

 

さっそく担当部署のふたりにコンタクトをとり、どんな仕事なのか聞くことにした。

社内のカフェでふたりに会うことになった。

 

事情を聞くとふたりのうちの一人が産休を取る予定で、彼女のかわりに新しい税金の計算プロセスを導入するプロジェクトを完了し、そしてその後は残った一人の仕事を五月半ばの産休明けまでサポートするのが主な役割だった。もちろん税務の仕事や税金のプロセスなど入れた経験はないが、知るべき税法とその対象がわかればできるはずだ。

 

まずはプロジェクトだが導入期限は年末まで、配属されるのが11月半ばだとして時間は1ヶ月半しかない。かなりきついスケジュールだが仕事をうけることはすでに決めていた。その場でふたりに関連書類をもらって概要を理解しプロジェクト・プランをつくることにした。

 

プロジェクト・プランができたころには、彼女はすでに産休にはいっていた。

 

そして人事と簡単な面接を終えて11月半ばから税務部へ移ることになった。

 

これですこし首がつながった・・・

タイムリミットは5月末まで伸びた。