(3)これからの「生活」はどうするか?
「子供」の問題は解決したが、さらに重要な問題が残っている。
シンガポールでリストラされた外国人の一番の懸念はこれからの「生活」と「ビザ」だ。
あたりまえだが仕事がなくなれば収入もなくなる。
収入がなければ生活もできない。
なにより仕事がなくなるとビザが失効して国外退去させられる。
国外退去までは失職してからわずか1ヶ月の猶予しかない。
要するにリストラされ仕事が見つけられない外国人はシンガポールでの生活をすべて失うわけだ。
自業自得だ。
会社の給料だけに頼っていた自分が招いた結果だった。
ただし、やられたままで済ます気は無かった。
今度は自分から会社に見切りをつけられるようにならなければ気が済まない。
そうは言っても、今はまだ給料に頼らずに生活はできない。
そして現状はその給料に頼れるのもあと4ヶ月のみだ。
話し合うまでもなく、やらなければならないことは単純明快だったが、妻に次の三つのことにやることを伝えた。
(1)新しい仕事をみつける。
(2)家族でシンガポールの永住権を取る。
(3)給料以外からの副収入を得る。
どれも簡単ではないが、その難しさを話すのは時間の無駄に思えた。
そして(1)と(2)はすぐにやらなければならない。
私は妻に今から仕事を探す旨を伝えると、手始めに11年分の履歴書のアップデートをはじめた。それから他の銀行で働いている信頼できる友人や元上司、仕事のできるリクルーターのR氏へメッセージを送った。念のため、私は昔使っていたリクルーターもう1社へメッセージをいれてからLinkedInで仕事を探し始めた。