(2)タイムリミットは4ヶ月

リストラ宣告で落ち込んでいる暇はない。

生活、子供、ビザの問題を解決する時間は4ヶ月。

仕事はすぐに切り上げて帰宅した。

4時には家のリビングでこれからのプランを考えはじめていた。

 

あらかじめ翌日も休みをもらっていた。

ここ人生のターニングポイントだ。仕事などどうでもいい。

この日の数時間で2つのことを実感した。

 

(1)誰でもリストラされる

(2)会社は自分の人生を守ってくれない

 

当たり前のことだが、私自身リストラされるまで実感できなかった。

そんなことを考えていると妻が帰宅した。

私の姿を認めると開口一番叫ぶように

 

「どうしたの?」

 

一言の疑問文だが妻は状況をほぼ把握している。

こういう時は無駄な説明はいらない。直球でいい。

 

「リストラされたよ。これからのことを二人で話し合おう」

 

それを聞くと悔しさからかショックからか妻はポロポロ涙を流し始めた。

しばらく彼女を抱擁した。

 

妻は落ち着くと無言でベットルームへ入って行った。

しばらく落ち着きたいのかと思っていたが、すぐに戻ってきた。

手には預金通帳を持っていた。

 

「これ私のへそくり。使っていいわよ。」

 

通帳には学費二年分以上の預金が入っていた。これで子供の学資はほぼ賄える。

妻のおかげで「子供」の問題は解決した。