(12)なぜ投資すべきでなかったか
では中国ハイイールド債ファンドへの投資をすべきでなかった私個人の理由を挙げてみよう。(注:これはあくまでも個人の見解です。投資判断は各々で行ってください。)
(1)手数料が一般のインデックスファンドにくらべて高く、その分だけリターンを削る。私の購入したファンドは販売手数料は2%、運用手数料は毎年1.2%かかった。(販売手数料は銀行によって違う場合があります。)ちなみにSP500に連動したインデックスファンドのVOOのコストは0.03%だ。
以下が手数料がリターンを削る具体例だ。
たとえば10万ドルの投資をAかBのどちらか投資しようとする。
Aは運用手数料が1.2%
Bは運用手数料が0.03%
Aは銀行で買える投資信託、Bはマーケットで買える上場投資信託だとする。
両方のリターンが毎年一定で3%だと仮定すると
10年後の資産額は
Aが119,530ドル
Bが134,001ドル
差は約14,000ドルだ。年数が経つと差はもっと拡大していく。
(2)このファンドへの投資比率が高すぎる。この当時で自分のポートフォリオの約半分をこのファンド(中国の高利回り債という投資対象)へいれている。たとえばこのファンドが半値にさがると全体の資産が25%減ることになる。
これは非現実的なシナリオではない。前回のこのファンドへの投資の経緯をみてもらうと、実際に現在は半値以下に落ちている。
さらにこのファンドは中国への不動産事業への投資比率が現在でも3割になっている。
中国の不動産バブルの崩壊とそれに伴う不動産会社の連鎖倒産は現実的なリスクになっている。(私は不可避だとおもっている。)
これらを考慮すると、私にとってこのファンドはリスクが高すぎた。
(3)配当金は一定ではなく、減ることもある。これも実際に私が投資していた期間でおきている。これも前回のブログの経緯を参照いただきたい。
(4)このファンドのリターンを測るシャープレシオが極端に低い。シャープレシオの細かい定義はGoogle検索に委ねるが、簡単にいうとシャープレシオが1 より大きいと投資妙味があるという風に私は判断している。ちなみにこのファンドのシャープレシオは今年の6月時点で約-1だ。
この教訓から、私にとっての投資とは「手数料をなるべく減らして、適正なリスクをとりながら一定のリターンを得る」という理解に至った。